芸術が爆発してる秋の山      山走子
げいじゅつがばくはつしてるあきのやま

R0014484

このフォト×俳句は先月下野新聞に投稿して選外になったもの。
どうやら予選通過はしたらしいのだが入選には至らなかった。
写真はというか、この景色はとても気に入っているもので。
以前に別の角度から撮したところで一つ作っている。

俳句に関してはとにかく多作多捨というところで作ってはいるわけだが。
入選と選外との線引きがイマイチ解らない。
添削してもらえるとありがたいのだが、そうもいかないんだろうな。

ところで、添削といえば、こちらのテキストが秀逸だ。

俳句の作法 鷹羽狩行の一句拝見
鷹羽 狩行
日本放送出版協会
2001-01


この本は俳人の鷹羽狩行さんが、「NHK俳壇」に3年間にわたって連載されたものをまとめた俳句の公開レッスンのような本。
北原亞以子・真野響子・森ミドリの三氏が一年間通して俳句を作り、その添削にプロセスが書かれている。
三者三様でなかなか読み応えがある。
基本的に鷹羽さんのスタンスは、作者の意図を活かして可能な限り原句を維持するようにしている。

なので、「てにをは」を替えたり、上五と下五を入れ替えたり、文法的間違いを直したりと、僅かな修正で随分と趣の違う句に生まれ変わるプロセスがうかがえる。
この本は対談形式なので、鷹羽さんの問いかけを覚えておくと自分に使える。

自分に使えるというのは、一旦俳句の原型を作っておいて。
まず決め台詞(笑)
「おつもりは?」
と、どんなつもりで作った句なのか、句作の意図であったり背景であったり状況を説明する。
その後で、
「○○はどういうことなんでしょう?」
「それが第三者にわかりましょうか?」
「それは何処ですか?」
「昼ですか夜ですか?」
・・・・等々自分に質問して答えれば推敲の役に立つと思われる。

それにしても、次から次へと代案というか異なる表現が出てくるのが不思議だし羨ましい。
俳人の頭の中ってのはどうなってんでしょ?(笑)

フォト×俳句をしている自分としては、次のフレーズが興味深かった。
「瞬間を永遠にするものという点で俳句とカメラはよく似ているけれども、違うところがある。カメラは眼前のものしか写せない、俳句は過去をも写し出すことで出来るカメラ・・・(p131)」

なるほど、って事は「フォト×俳句」って現在と過去を同時に表現するとうまく行くって事かな?
と、なんとなく距離感のヒントが手に入ったような気もしている。


[俳句解説]
季語 秋 時候 三秋
草原にいきなり現れたこの景色だったのだが、なんと表して良いやら。
緑の樹木が赤に乗っ取られていうような異様な雰囲気でもあったのだが。
色合いの強烈さは、岡本太郎の「芸術は爆発だ!」って表現ぐらいでしか表せなかった。

[写真解説とデータ]
笹ヶ峰高原にあった不思議な木。
この木を360度で色々撮してみた。
光の扱い方で随分と雰囲気の違う写真になることを学んだ。

カメラ:RICOH GRDⅣ
絞り:2.3
シャッター速度:1/2000
WB:自動
画像設定:ノーマル
露出補正:-1


[何故この俳句にこの写真を合わせたか]
これは完全に写真が先でした。
とにかくこの写真を発表したかったので無理やり俳句を考えた。
自然界の作り出すアートってところでの一句。




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