最近ずっと気になって一生懸命勉強しているのが文語文法。
というか、文語表現が正しいかな。
で、文語表現をしようとするときにこれを新かなで表記する方法と歴史的仮名遣いで表記する方法と二つある。
俳句入門等を読む限りでは、ここらは作者の選択に委ねられている。
毎度登場する私のバイブル(笑)ではこう書かれている。
表記のたてまえ
1.文語表現、口語表現のどちらを使ってもさしつかえない
2.歴史的仮名づかいと新仮名づかいは、どちらか一方にハッキリきめておく。
ある句は歴史的仮名づかいで書き、別の句は新仮名づかいで書くという混用はダメ。
まして、一句の中に両方の仮名づかいが雑ざるなんてことは「もってのほか」である。
3.したがって、歴史的仮名づかいで表記するときめたならば、口語表現の俳句でもそうしなければいけない。
同様に、新仮名づかいと決めた作者は、文語表現でもそれで押し通さなければいけない。 (P48)
他の方のテキストを読んでも概ねこれと同じ書き方になっている。
なので、とりあえず慣れている新かなづかいでと思い現在に至る。
ところが、ここ数日の間に読んだ二冊の本の影響でこれを改めようかと思い始めた。
最初に読んだのがこちら。
で、この本に紹介されていたのがこちら。
両方ともかなり似たテイストで書かれている本。
「日本語を知らない俳人たち」が2005年3月版で、「旧かなを楽しむ」が2003年9月版
ってことは、「旧かなを楽しむ」が種本かな。
これを読むと、なるほどなるほどと理解が進む。
基本的に旧かなを支持している本なんだけど、その理由として。
「言ひかへれば、旧かな、歴史的かなづかひを使ふのは「得」である。私は功利的な話しをしてゐます。まうけ話をしてゐます。理屈はあとでなんとでもつきます。とにかく得をしよう。この話しに乗らない、といふのが私の言ひたいところです(p155)」
と、まぁ控えめというかなんといか、面白い書き方で表明しているのだけど。
俳句を創作する人間としては、歴史的仮名づかい以外の選択は無いのでは無いかと思わせる内容になっている。
そして、私自身がずっと疑問に思っていた事柄が綺麗に体系的に説明されている。
「結局私の言ひたいことは、この形式動詞などを濫用したら、和歌・俳句の「情報量」が一気に下落する、といふことです。
いや「情報量」とはこの際耳慣れぬ語かと思ひますが、超短詩、俳句こそ情報の文学です。たつた十七文字の中にいかに世界を取り込むかの勝負です(p77)」
これは前から感じていたことで、芭蕉などの十七音は圧倒的に情報量が多いんだよね。
比べて、自分の作るものときたら、スカスカなもの。
もっとも芭蕉と比べるのもどうかと思うけど(笑)
その原因が表記の問題にもあると言うことが良く解った。
それから、これも以前から苦労していたというか謎だったところで。
「や」「かな」「けり」の切れ字を使った時に、苦心して文語に揃えようと頑張ってどうしても自分の力で変換出来なかったものに、口語の「た」があるんだけど。
「かうしてみると、き・けり・つ・ぬ・たり・り といふ助動詞とそれらの変形がほとんど全部、現代語では「た」となることがわかります。逆に言へば、現代語で「た」となるものは文語では実にたくさんの表現形式があるといふことです。ちょっと並べてみませうか。(p30)」
として、ざっと20パターンほど並べてくれている。
これだけの違いがあるわけで、口語だと「た」だけの表現ってのは確かに不利だと感じる。
どうりでスカスカな作品にしかならないわけだ。
で、ここにアップした二冊の本によると、まともに文語表現が出来る人はどうやら数が少ないらしい。
ってことは、ここをしっかりと身につけたらそれなりに評価を貰えるって事かも(笑)
そんなわけで、ちょっとずつ歴史的仮名づかいにチャレンジしてみようと決心したのであった。
そうそう、ついでにまだ買ったままで未読なんだけど。
そもそもの種本はこれらしいというところでアップしておきませう。
これから読むところだけど、またどこかで紹介します。
と、ここまで来て思ったけど。
このブログを歴史的仮名づかいで書くのもトレーニングとしては最適だな。
・・・・が、文字変換がメチャメチャ大変というか面倒くさいぞ。
ちょっと作戦を練ることにしよう。
[俳句解説]
自分が風邪引いて寝込んでいる間にも雪はどんどん積もって行く。
正岡子規の気分を味わったのでそれを句にしてみた。
[写真解説とデータ]
カメラ:RICOH GRDⅣ
露出時間:1/2000
絞り:3.3
F値:f/3.2
ISO:80
WB:自動
露出プログラム:絞り優先
露出バイアス:+o.3
[何故この写真をこの句に合わせたのか]
雪の白黒写真が風邪で寝込んでいた時の気分に合うかなと。
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